Surgical operation

整形外科手術のご紹介

治療と手術 / 肩 / 膝 /股関節 / 足関節 / 関節鏡による手術

治療と手術

の治療と手術

当院で治療を行っている主な肩関節疾患は変性疾患として肩関節周囲炎(五十肩、凍結肩ともいわれる)、腱板断裂(一部外傷例もあり)、上腕二頭筋長頭腱炎、石灰沈着性腱板炎、変形性肩関節症(一次性、腱板断裂症性に分けられる)があります。その他に外傷疾患(上腕骨近位部骨折、肩甲骨骨折、肩関節脱臼、肩鎖関節脱臼)や感染性疾患(化膿性肩関節炎)があげられます。これらの内、特に頻度の高い疾患について説明します。

腱板断裂

以前から五十肩と言われている方の痛みの中に腱板という筋肉が断裂している患者さんがおられます。腱板が断裂すると肩の大事な機能である、持ち上げる、引っ張る、抱えるという動作が困難になり、痛みが出現します。小さな断裂の場合断裂をしているかどうかはわかりにくく、診断はエコーやMRIで腱板断裂の有無を確認します。
腱板が一度断裂すると自然にくっつくことはありません。腱板断裂はスポーツ選手であれば20歳代から、一般人では50歳代から頻度が増えてきます。特に50歳、60歳代は今後のことを考えて腱板を縫合する手術を選択したほうが良いと考えられています。腱板断裂は放置しておくと筋肉が退縮して縫合ができなくなるとこがあります。当院では可能な限り関節鏡視下手術による腱板縫合術を行っています(図1)

※ 手術の映像が再生されますので、気分の悪くなる可能性がある方はご注意ください ※

図1

縫合が不可能なものは70歳未満であれば大腿筋膜移植併用腱板縫合術や腱移行術、70歳以上であればリバース型人工肩関節置換術を選択しています(図2)。腱板断裂断裂の可否については術前のMRIで腱板の退縮、腱板筋群の委縮の程度で判断しています。

図2

リバース型人工肩関節は2014年より日本で治験が行われずにPMDAにより認可された最初の人工関節であるため、実施施設基準(人工股関節など一般的に人工関節が行われている施設)、実施医基準(日本整形外科学会専門医。鎖骨手術及び肩鎖関節手術を除く肩関節手術を術者として100件以上の経験を有するもの。その内、腱板断裂手術を50件以上及び人工肩関節置換術もしくは人工骨頭置換術を併せて10件以上含む。日本整形外科学会が認定した講習会を受講したもの。)が厳しく定められていますが、当院ではそれらを満たしており、適応症例にはリバース型人工関節置換術を行い良好な結果を得ております。

変形性肩関節症

膝や股関節と同様に肩関節にも関節軟骨が摩耗して変形性肩関節症を発症する患者さんがおられます。症状は肩の動きが悪くなった。仕事をすると痛みが強くなる、関節に水(関節液)が貯まるといった膝関節などと同様の症状が出現します。症状が強く、関節変形の強い場合は人工関節の適応となります(図3)。痛みの緩和と関節の動きの改善が期待されます。

図3

✖ 閉じる
の治療と手術

変形性膝関節症

変形性膝関節症は生活環境や怪我、関節リウマチなどによって関節の軟骨が摩耗していく病気です。初期には立ち上がった時に痛い、運動すると痛いなど日常生活には大きな影響はありませんが、進行すると膝の変形が明らかになり、歩行が困難となり歩くスピードも遅くなることから日常生活に様々な障害が出てきます。このような状態を末期の変形性膝関節症と呼びます(図1)。この時期になると薬や注射や運動療法だけでは満足できる治療ができなくなります。

図1

変形性膝関節症に対する手術療法

進行した変形性膝関節症に対する手術療法は大きく分けて2種類あります。高位脛骨骨切り術と人工関節置換術です。病期の進行度にあわせて選択します(図2)

図2

関節鏡視下手術

関節鏡視下手術は膝関節に小さな切開を加え関節内に直径4.5mmの細い棒状の関節鏡を挿入して内部を観察します。関節の中にある滑膜や半月板、靱帯などを観察して痛みの原因となっている部分を切除したしクリーニングすることにより引っ掛かり感や炎症による関節液の貯留を改善させる効果があります。一方で関節を覆っている関節軟骨の摩耗が激しい場合は関節鏡視下手術だけでは効果が不十分なことがあります。
特徴として
・小さな切開で短時間手術。
・翌日より歩行可能。
・軟骨の摩耗やアライメント変化には対応できないため適応が限られる。
当院では初期から中期の変形性関節症で特に半月板の症状が強い方に行っています(図3)

※ 手術の映像が再生されますので、気分の悪くなる可能性がある方はご注意ください ※

図3

【関節鏡視下手術】引っ掛かっている半月板を切除します

高位脛骨骨切り術

高位脛骨骨切り術はO脚変形のために内側(内側大腿―脛骨関節)に偏った過重なストレスを、自分の骨を切り、少し角度を変えることにより、比較的きれいな軟骨の存在する外側(外側大腿―脛骨関節)に移動させる手術です。脚の形はO脚からX脚に変わります(図4)。患者さんのひざが温存できますので、正座が引き続き可能であったり、スポーツや農業などの仕事へ復帰された患者さんが多くいます。一方で、骨が癒合するまで痛みが多少続くこと、機能回復にはリハビリをしっかり行うことが必要です。
特徴として、
・自分の関節は温存され機能は維持される。
・日常生活に制限がなく、スポーツ活動も可能となる。
・痛みは極めて良く改善される。
・骨が癒合するまで痛みが多少続く。機能回復にはリハビリをしっかり行うことが必要。
・変形の強い場合や高齢者には不向き。
当院では50歳から70歳までの比較的若い方で、重労働やスポーツ活動を行いたい方にこの手術を行っています。術後は3週間で全体重をかけた歩行が可能となります。

図4

人工関節置換術

人工関節置換術は変形した膝関節の表面を取り除いて、人工関節に置き換える手術です。人工関節は、関節の滑らかな動きを再現できるように、大腿骨部・ 脛骨部・膝蓋骨部の3つの部分からできています。大腿骨部と脛骨部の本体は金属製ですが、脛骨部の上面と膝蓋骨の表面は耐久性に優れた硬いポリエチレンでできていて、これが軟骨の代わりになります。使用する人工関節は障害の程度によって異なります。障害の程度が比較的軽い場合は骨の表面だけを削って置き換えますが、 膝関節の破壊が進み、障害が著しい場合には、すり減った骨を補充するために複雑な膝関節部品が必要になります(図5)
特徴として、
・痛みをとる効果が高い。
・術後から全体重をかけた歩行訓練が可能。
・ほぼ全ての変形に対応できる。
・高齢者でも術後のリハビリで制限することは少ない。

・術後膝の違和感が残る場合がある。 ・術後の感染症に気を付ける必要がある。
当院では変形の強い場合は50歳代から、認知症がなければ90歳代でもご希望があれば手術を行っています。また感染対策として、クラス1000のバイオクリーンルームでの手術を行っています(図6 )

図5
図6
✖ 閉じる
股関節の治療と手術

変形性股関節症について

概要:変形性関節症は長年の使用や繰り返される負担、けがなどによって、関節の軟骨がすり減ったり、骨の変形が生じたりする病気です。全ての関節に起こり得ますが、股関節に生じた場合、変形性股関節症(以下股関節症)と呼ばれます。
 
原因:原因がはっきりしない加齢に伴う一次性の股関節症と、何らかの原因で生じる二次性の股関節症があります。二次性の場合原因は股関節の形成不全といった子供の時の病気や発育障害の後遺症が主なもので股関節症全体の80%とされています。最近では高齢化により一次性の股関節症が増えてきています。
 
症状:変形性股関節症は変形の程度によって初期、進行期、末期に分けられます。初期には脚の付け根や臀部、膝の上部のこわばりや重い感じがあり、歩き始めや長時間の歩行、階段の昇降で痛みが起こります。腰からのいわゆる坐骨神や変形性膝関節症に症状が似ている場合があります。当院を訪れる患者さんの中にも坐骨神経痛と思われて来院される方が多くいらっしゃいます。変形が進行し進行期から末期になるにつれ、動きが制限されて痛みも強くなり、筋力も低下してきます。歩様の異常や長距離の歩行や階段の昇降、しゃがみ立ちが困難になるなど徐々に日常生活が制限されてきます。
 
診断:診断は上記の症状がある場合、単純X線(レントゲン)写真を撮って確定します。関節症が進むに従い、関節の隙間が狭くなったり(軟骨の厚さが薄くなる)、軟骨下骨が硬くなったり(骨硬化)します。さらに進行期関節症、末期関節症となると、関節の中や周囲に骨棘とよばれる異常な骨組織が形成されたり、骨嚢胞と呼ばれる骨の空洞ができたりします(図1)

図1

最終的には体重がかかる部分(荷重部)の関節軟骨は消失し、その下にある軟骨下骨が露出します(図2)

図2

予防と治療:関節は一生に一個しかありませんので、本症と診断されたらまず負担を減らして大事に使うということが大切になります。初期のうちでしたら、痛みに対して体重のコントロールや安静、杖の使用、温熱療法などの理学療法、湿布、塗り薬、痛み止めの内服薬などを用いた保存的治療を行います。股関節周囲の筋力トレーニングも関節の安定性を高めるのに有効です。
これらの保存療法でも症状が取れない場合は手術療法を考えます。初期や若年者でしたら自分の骨を生かして行う骨切り術の適応です。進行期から末期では人工股関節手術の適応となります。(図3)
 

図3

当院の取り組み:人工関節は満足度の高い手術ですが、人工関節の脱臼、感染や、活動性が高く若い患者さんでは人工関節のゆるみや破損が問題になる場合があります。それらを予防するためには出来るだけ小さな傷で筋肉を傷つけないように手術を行うこと、正確な位置に人工関節を設置することが大切です。当院では患者さんの負担を出来るだけ少なくするために、10cm未満の皮膚切開で筋肉や腱を出来るだけ温存する最小侵襲手術(MIS)を行っています(図4)

図4

また最新鋭のコンピューターナビゲーションシステムを導入することにより、術前のCT検査により得られた画像から非常に正確な位置にインプラントを設置する事が可能となります。
股関節に限らず痛みを抱えながら生活を送ることは大変辛いことです。当院が痛みの緩和に少しでもお役に立てれば幸いです。何時でもご相談下さい。

✖ 閉じる
足関節の治療と手術

膝や股関節と同じように足首(足関節)も軟骨がすり減る変形性関節症になることがあります。捻挫の繰り返しや生活環境により足関節が不安定になることが原因と言われています。変形性足関節症も軟骨のすり減り具合により症状や治療方針が変わっていきます。初期ではスポーツ活動によって痛みが出る、長時間歩くと足首が痛くなるという症状ですが、進行すると歩いたり、坂道を上ることが困難な痛みが生じてきます。治療法としては初期の場合はサポーターや痛み止めの内服や湿布で様子を見ます。症状が続けば関節鏡による関節内のクリーニングを行うこともあります。病期が進行すると手術的治療が必要となってきます。手術は3通りの方法があります。

脛骨遠位斜め骨切り術

変形が中等度から末期にかけての変形性足関節症に行います。この方法は脛骨を斜めに骨切りし、軟骨が残っている部分に荷重がかかるようにする方法です。また同時に関節を十分に被覆することによって関節の安定化を図ります。当院では金属プレートを用いた固定により患者さんに負担の少ない手術方法を取り入れ、術後早期の社会復帰を目指しています(図1)

図1

関節固定術

荷重部の軟骨がほとんどなくなった関節に対しては関節を固定する方法が痛みをとる方法としては大変優れています。足関節を固定してもその下にある関節(距骨下関節)で代償できるため急な坂道を登ったりする以外は日常生活に大きな影響はありません。当院では関節鏡を用いた最小侵襲の手術を行い術後早期の社会復帰を目指しています)(図2)

※ 手術の映像が再生されますので、気分の悪くなる可能性がある方はご注意ください ※

図2

人工関節置換術

末期の関節症に対しては膝や股関節と同じように足関節も人工関節置換術を行うことが可能です。脛骨の関節面(天蓋)をポリエチレンで置換し、距骨の表面を主に金属で置換します(図3)。人工関節置換術は関節の動きを残し、痛みをとる大変良い方法ですが、一方で足関節の人工関節は長期成績が膝や股関節に比べるとやや劣る傾向にあります。そのため成績の安定している関節固定術を選択することが多いのが現状です。現在新しい人工関節の開発が進んでおり今後は長期成績の安定した人工関節が期待されています。

図3

✖ 閉じる

関節鏡による手術

※ 手術の映像が再生されますので、気分の悪くなる可能性がある方はご注意ください ※

腱板縫合術

以前から五十肩と言われている方の痛みの中に腱板という筋肉が断裂している患者さんがおられます。腱板が断裂すると肩の大事な機能である、持ち上げる、引っ張る、抱えるという動作が困難になり、痛みが出現します。小さな断裂の場合断裂をしているかどうかはわかりにくく、診断はエコーやMRIで腱板断裂の有無を確認します。
腱板が一度断裂すると自然にくっつくことはありません。腱板断裂はスポーツ選手であれば20歳代から、一般人では50歳代から頻度が増えてきます。特に50歳、60歳代は今後のことを考えて腱板を縫合する手術を選択したほうが良いと考えられています。腱板断裂は放置しておくと筋肉が退縮して縫合ができなくなるとこがあります。当院では可能な限り関節鏡視下手術による腱板縫合術を行っています。

関節鏡下手術

関節鏡視下手術は膝関節に小さな切開を加え関節内に直径4.5mmの細い棒状の関節鏡を挿入して内部を観察します。関節の中にある滑膜や半月板、靱帯などを観察して痛みの原因となっている部分を切除したしクリーニングすることにより引っ掛かり感や炎症による関節液の貯留を改善させる効果があります。一方で関節を覆っている関節軟骨の摩耗が激しい場合は関節鏡視下手術だけでは効果が不十分なことがあります。
特徴として
・小さな切開で短時間手術。
・翌日より歩行可能。
・軟骨の摩耗やアライメント変化には対応できないため適応が
限られる。
当院では初期から中期の変形性関節症で特に半月板の症状が強い方に行っています

関節固定術

荷重部の軟骨がほとんどなくなった関節に対しては関節を固定する方法が痛みをとる方法としては大変優れています。足関節を固定してもその下にある関節(距骨下関節)で代償できるため急な坂道を登ったりする以外は日常生活に大きな影響はありません。当院では関節鏡を用いた最小侵襲の手術を行い術後早期の社会復帰を目指しています。

“ロボティックアーム”を使用した
手術について

ロボティックアーム

当院では
先端テクノロジーの“ロボティックアーム”を用いた
『人工股関節全置換術』『人工膝関節全置換術』を
おこなっています。

この治療は保険診療で受けることができます。

詳しくはこちら >